終活クラブの楽曲は、J-ROCKやボカロなど、さまざまなサウンドが混じりながらも、心の内にある葛藤を受け止めて、気づけば前を向かせてくれるような、そんな気持ちにさせてくれる。それを改めて強く感じたのが、今作に収録されている“怪物”だった。プロ野球チーム・オイシックス新潟アルビレックスの公式イメージソングで、野球の要素を歌詞にもサウンドにもふんだんに散りばめながら、《悔やんだっていいし/間違ったっていいぜ/戻れなくなるほど行け》と、誰もが自分のこととして受け取れる普遍的なメッセージへとつながっていく。チームや野球ファンはもちろん、多くの人の背中を押してくれる1曲だ。
先日公開されたMVも、アニメっぽいギミックや青空の球場での爽やかさ、そして疾走感に満ちていて、この夏にもぴったり。
「どんどん挑戦して、失敗もしようと思ってます。挫折しないマンガの主人公はいないので」──そんな言葉通り、終活クラブは失敗も葛藤も隠さず、それでも前へ進む姿を音楽で見せてくれる。その等身大な姿があるからこそ、彼らの音楽はいつもそばにいて、もう一歩前へ進む勇気をくれるのだと思う。
8月号にはインタビューとLIQUIDROOMでのライブレポも掲載しているので、新章を走り始めた彼らの思いを、ぜひ受け取ってほしい。(江口祐里)