大阪寝屋川発のガールズバンド、yonige。スペースシャワー列伝ツアーに抜擢されるなど注目を集める彼女たちの最新作はそのセンチメンタルな魅力が爆発している。焦燥感と疾走感の溢れるシンプルなロックサウンドに乗せて、心の傷跡をえぐる歌を叫ぶ。《最後のキスもう一度だけ/最低なことばかりだわ》(“悲しみはいつもの中”)、《愛されたかったわたしはあなたを愛しているふりをした》(“最愛の恋人たち”)。そこまで言っちゃう? でも言いたいけど言えなかったモヤモヤを晴らしてくれる! という毒にも薬にもなるような言葉。そこに胸をぎゅっと掴まれるし、このバンドが支持される理由だとも思うのだけど、そういう歌詞は聴く人を選ぶ。だから今作のポイントは、誰にでも当てはまる“our time city”にある。この曲で歌われているのは街の風景が映し出すうんざりした自分の気持ち。それでも眠れるようにと星に願いたくなる明るい心地。何より躍動感があって歌いたくなるメロディが素晴らしい。10年経ってもライブでやったり誰かがカバーしたりして鳴り止まない。そんな名曲だと思う。(秋摩竜太郎)