今年2月の『TOKYO GIRL』と、約半年ぶりのニューシングルとなる『If you wanna』――つまりアルバム『COSMIC EXPLORER』以降のPerfumeは、明確にかしゆか／あ〜ちゃん／のっちのリアルな表情そのものにフォーカスしているように見える。隙間なく構成された怒濤の音圧のダンストラックとせめぎ合いながらポップアイコンとして「機能する」ことよりも、格段に空白の多いサウンドメイキングの中で、3人がのびやかに「生きる」姿そのものを新たなポップアートとして再構築しようとしていることを感じさせる。そんなPerfumeの「その先」への意志が、この『if you wanna』には高純度で詰まっている。

3分弱という短い楽曲／ビート主体にソリッドに削ぎ落とされたサウンド／極限までシンプルに磨かれた詞世界の中で、それぞれの表情まで浮かんでくるような輝度と彩度を実現している表題曲“if you wanna”。「今ここにある幸せ」のきらめきを、朗らかな開放感とともに花開かせてみせる“Everyday”――より確かな足取りで未来へと進むPerfumeの姿を鮮やかに活写した1枚だ。（高橋智樹）