2018年中にファースト・アルバムのリリースを予定しているカミラ・カベロの先行シングル2曲。“Havana”は自身の出身地でもあるキューバのハバナについて歌ったラテン・ポップ。けだるいビートとムードに乗せて、かつて愛してハバナに残してきた男性のことと、ハバナに後ろ髪を引かれる思いとを綴っていくトラックで、カミラの妖しい魅力を堪能できる。実はこれこそ、彼女がフィフス・ハーモニーを脱退しなければならなかったことをよく説明するもので、ポップ・ガール・グループではおよそこういう曲を披露するのは無理だし、カミラはあくまでも自身のカリブとラテンの文脈をきちんとアーティストとして打ち出したかったのだ。2曲目はトラップ・ビートをベースにしたヒップホップ・サウンドに絡めてボーカルで押しまくる“OMG”。これは今時の女子としてのごくカジュアルな楽曲になっている一方で、ヒップホップの必須芸である俺様節をカミラ節として繰り広げるもの。「なんか文句ある?」と言外に凄むムードがかっこいいし、曲も歌もそれにふさわしい。終盤にはミーゴスのクエヴォによるカミラ様節もあり。 (高見展)