新編成による新境地を拓いた新作

TUNE-YARDS『I CAN FEEL YOU CREEP INTO MY PRIVATE LIFE』
発売中
TUNE-YARDS I CAN FEEL YOU CREEP INTO MY PRIVATE LIFE
長年の制作パートナーを加えたデュオ編成となり完成された4作目。メリル・ガーバスいわく「80年代サウンドを彷彿とさせる音作り」との狙いどおり、ディスコやテクノにも通じるモダンなダンス・ビートが随所に配されている点が今作の特徴。リード曲の⑦、手拍子とのポリリズムが耳を引く①にそれは特徴的だが、加えてデジタル・クワイア的なボーカル加工も新たに試みられている。それに関連して目を引くのが、近年ソランジュやチャンス・ザ・ラッパー、ケンドリック・ラマーの諸作に関わってきたエンジニアらの起用。4年前の前作『ニッキー・ナック』においてもリアーナやフランク・オーシャンのコラボレーターの参加が話題を呼んだが、そうした昨今のヒップホップ/R&Bのモードと共振するようなアプローチを今作ではさらに深めている。⑤や⑨にその傾向は顕著であり、最近でいえばキンブラやハイエイタス・カイヨーテのネイ・パームの新作も連想させる今作の白眉に挙げたい。人種やフェミニズム、環境問題など扱ったテーマはシリアスだが、トライバルでストレンジな音遊びは相変らず。さらなる飛躍を印象づける一枚だ。(天井潤之介)
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