『運命共同体』すっかりDA王道となったアコースティック&ラテン・フレイバー路線のバンド・アンサンブルがいよいよ海風のような軽やかさを獲得していくのと同時に、肩の力の抜けた、それでいて芯の強いタフさとアグレッシブさを獲得していくのはどういうわけだ。と誰もが驚くこと必至の最新シングル。「アコースティック」が「レイドバック」とほぼ同義で流通する今の日本の音楽マーケットにあって、『Velvet Touch』、『繋がりSUNSET』、そして今作のサウンドスケープの在り方は奇跡と言っていい。そして、それが偶然でも何でもないことを、僕らは知っている。≪陽はまた轍を繋いで 散らばった仲間達united≫という冒頭リリックは“陽はまたのぼりくりかえす”に象徴されるバンドの苦闘と成功の歴史を想起させるし、≪我ら運命共同体/時には挫折寸前の状態で 漕ぐんだ船を航海へ≫というフレーズは、バンド対オーディエンスというミクロなスケールの垣根を瞬時に消し去り、誰も彼もが「今、ここ」の当事者であることに気づかせる呪文のように響く。DAにしか作れないし歌えない、最強のアンセム。(高橋智樹)