今年1月のリクエストワンマンで新曲“灯せ”(『オー・マイ・ジャンプ!〜少年ジャンプが地球を救う〜』エンデイングテーマ)を初めて聴いた時、次作は歌もの路線を押し進めるのかと勝手に推測していた。振り返れば、前作『THE END』は
BLUE ENCOUNTのパブリックイメージを壊すという意味合いを含んでいた。そして有言実行。この3rdアルバムはブルエンの新章を告げ、リスナーの想像を遥かに超えた作風と言っていい。ブルエンらしさは残しつつ、様々な方角に衝動を吐き出した、野心と覇気に満ちた傑作。既発曲は“VS”、“さよなら”の2曲に留まり、新曲12曲という点も嬉しい限り。とりわけクラブミュージックを彼らなりに消化し、壮大なスケールを描いた新境地ナンバー“…FEEL ?”は悶絶級のかっこ良さ。ほかにラップ炸裂でSUM41を彷彿させる“ハンプティダンプティ”、ジャジーかつフュージョンチックなオシャレ・ロックで迫る“coffee, sugar, instant love”など、ここに来て自身の好きな洋楽テイストを噛み砕き、いい意味でやりたい放題にハミ出した自由度が最高だ。(荒金良介)