UKヒップホップの新たな物語

ロイル・カーナー『イエスタデイズ・ゴーン』
発売中
ALBUM
ロイル・カーナー イエスタデイズ・ゴーン

5月に待望の初来日を果たすロイル・カーナーが昨年リリースしたデビュー作の日本盤。マーキュリー・プライズへのノミネートをはじめ、本国ではエポックメイキングな一作として認証済の本作だが、ストームジーがグライム史上初の全英1位を獲得するなど、UKヒップホップがメインストリーム化した昨年の流れの中ではかなり異質な一枚でもある。メロウなジャズ・ピアノとサックス、センシティヴな内面の柔さを纏ったフロウ、そして家族や自分の学生生活においての悩みを綴った等身大のリリックは、サウス・ロンドンの曇天の下の青春を瑞々しく活写し、マイク・スキナーの後継者と呼ぶべきストリート・ポエットのスピリットを感じさせる。キング・クルールとブリット・スクールの同級生だったというトリビアや、ジェイムス・ブレイク以降を鮮やかに更新したトム・ミッシュとのコラボレーションも含めて、インディ・ヒップホップの結び目に立つ才能なのだ。(粉川しの)
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