清水依与吏が描く「男の友情」とは
back number『大不正解』
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SINGLE
18作目のシングルのリード曲“大不正解”は、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』の主題歌。かつてないほどダークでアッパーなギター×エレクトロチューンに驚くが、歌詞も相当に切り込んだ内容だ。映画作品が描くもの=仲間との友情を意識して書かれたもののはずだが、それが表面的ではなくとてもリアルで生々しいものになるのは、やはり清水依与吏の作詞だからだ。上辺だけの馴れ合いを全力で否定し、《補い合うのなんざご免なんだ》と突き放す。彼の作る楽曲からこんな無頼なイメージが出てくるのは新鮮だが、それも映画のための音楽として「男同士の友情」がテーマに掲げられたからこそ生まれたものなのだろう。カップリング曲の“ロンリネス”の強烈なアイロニーにも注目してほしい。「人間」という作品を作ったアーティストである「神様」へのインタビューという架空の設定で、「なぜ私はあなたとひとつになれないのか」という、人類普遍にして決して拭い去ることのできない孤独感を浮き彫りにしていく。それも含め、彼らのシングル作品としては、最もヘヴィで強烈な一枚となった。(杉浦美恵)