マカロニえんぴつにとって初となる、書き下ろしタイアップソング“青春と一瞬”。マクドナルドの500円バリューセットのCMということで、曲中ではポテトが揚がる時に鳴るあのメロディが組み込まれていたり《青春と一瞬はセットなんだぜ》という商品を彷彿とさせるワードが入っていたりと、さりげない演出が上手くてニクい。そしてじんわりと胸に沁み入る温もりのあるメロディは、青春期の真っただ中を生きる若者をそっと諭すような懐の深さを感じさせる。間違いなのか正解なのかどうかなんてわからずに走り抜けた10代を振り返りながら、「いつかこうなりたい」と思い描いた理想像との答え合わせができることは大人の特権だ。しかし、大人になったらなったで「あの頃に戻りたい」だなんてぼやいてしまうのだから、結局はいくつになっても満たされることはないのかもしれない。そんなもどかしさを抱えつつも、《ずっと埋まらないくらいでいい/時間は少し足りないのがいい》と歌ってくれる曲があるというのは心強い。老若男女問わず、お茶の間で聴くすべての人をそっと励ましてくれる応援歌だ。(峯岸利恵)