昨年9月にリリースされたメジャーデビュー作から約8ヶ月でリリースされる7曲入りミニアルバム。今作で新たなスタッフチームと合流し、レコーディング環境も再編したとのこと。その影響もあってか前作よりも音が削ぎ落とされ、鋭さや毒気はそのままに、耳馴染みのいいギターロックへと昇華されている。
シンプルかと思いきや難解なアンサンブルを随所に盛り込む騙し絵的アプローチの“ルイユの螺旋”、各楽器のギミックの効いたフレーズとストレートに突き抜けるサビが映える“ミイラ・コード”、憂いと力強さを併せ持つ“パラダイム4120”、やわらかいボーカルと包容力に溢れるサウンドが堂々と響く“Upius”など、感情の機微を丁寧に描く。そんななか最後にひりついた演奏と渡辺壮亮(G・Cho)のシャウトが炸裂する短尺曲“societal sanity”を置くのは、彼ららしい天邪鬼感でありユーモアセンスだ。5人がぶつかり合うことで生まれる刺激性から、5人が前を見て音を繰り出していく爽快感へ。キャッチーでありながら妖しさを持ち合わせるムードも、より小気味良く響く。(沖さやこ)
ポップなダークヒーロー
嘘とカメレオン『ポストヒューマンNo.5』
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MINI ALBUM