全部がバンドの得意技

緑黄色社会『幸せ -EP-』
発売中
EP
緑黄色社会 幸せ -EP-
緑黄色社会といえば、peppe(Key・Cho)が奏でる華やかなピアノのフレーズを武器にしたキラキラとしたポップソングが持ち味……そんなパブリックイメージを覆すような新作EP『幸せ -EP-』が到着した。タイトルトラック“幸せ”はリード曲としては初めてのバラード。「幸せ」というタイトルを掲げながらも、その奥にある消えない不安を丹念に描き上げている。これまで“Re”(『緑黄色社会』)や“視線”(『溢れた水の行方』)といったアルバム曲では、メインソングライターである長屋晴子(Vo・G)が抱く孤独や寂しさを表現したバラード曲もあったが、それをリード曲として打ち出したところに大きな意味がある。さらに、今作には攻撃的なロックナンバー“逆転”や、穴見真吾(B・Cho)が作詞作曲を手がけたジャジーな“ひとりごと”など、相変わらずあらゆるジャンルへ果敢に手を伸ばすリョクシャカの挑戦も詰め込んだ。どれがリョクシャカの本質か? という問いは意味がない。全方位型のポップバンドとして、あらゆる音楽を「リョクシャカらしい」と言い切る、バンドの絶対的な自信が今作には表れている。(秦理絵)
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