世界の核心の音

さユり『め』
2020年06月03日発売
ALBUM
さユり め
メジャーデビューシングル“ミカヅキ”をはじめ“それは小さな光のような”“フラレガイガール”“航海の唄”といったシングル曲群はもちろん、“アノニマス”や“birthday song”、さらには今作が初正式音源化となる“夜明けの詩”まで計15曲を全新録で収めた、さユり初の弾き語りアルバム。「さユりの弾き語りアルバム」ということはすなわち、彼女の表現の「原点」と「根源」が結晶化した作品であることを意味する。

もともと路上弾き語りを活動の出発点とするさユりが奏でるアコギの音色には、その切迫したイマジネーションが高精細で凝縮されているし、彼女が歌うメロディは楽曲のビート感やスケール感を揺るぎなく支配するものだ。“平行線”が繰り広げる果てしなく雄大なパース、“月と花束”や“来世で会おう”のスリリングなドライブ感……といったバンドアレンジが印象的な楽曲群に関しても、その核心は始めからアコギと歌のコンビネーションの中に宿っていることが、今作のさユり純度100%の音源からは十分に窺える。「酸欠少女」の生命力と理想が音の隅々にまで息づいている名盤。(高橋智樹)

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