心はいつでも切なくて

コレサワ『憂鬱も愛して』
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コレサワ 憂鬱も愛して
2014年3月にリリースした自主制作盤の表題曲を、再アレンジ・再レコーディングしたものを含む1stシングル。当時のデザインをモチーフにしたジャケットもセンスが光る。近年は「女子の味方」として様々なシチュエーションの恋愛を歌うことが多い彼女だが、“憂鬱も愛して”は恋愛に限らず、傷ついた心や悲しみから一歩前進していく気持ちを歌うミディアムナンバー。苦しさや切なさを一つひとつ明確かつ的確に言語化する歌詞と、それを丁寧に辿る幼さの残る声は、胸が痛いほどに切ない。だがそれを全部受け入れ、不確かながらに《大丈夫》や《全部愛していたいんだ》とまっすぐ歌う純粋さはとても勇敢で、徐々に力強くなるバンドサウンドと同様に、夜明けのように雄大で晴れやかだ。

恋人の家に行くまでの道のりを綴った“ご褒美みたいな日”は、甘いメロディと《触れてほしくて 頑張っていたの ずっと》という切実な言葉に、愛の喜びと願いが宿る。気付けば自分のことのように、健気な主人公たちの明るい未来を強く祈っていた。彼女の卓越した心理描写には舌を巻いてばかりだ。(沖さやこ)

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