歌そのものが家入レオの「答え」

家入レオ『Answer』
発売中
EP
家入レオ Answer
EP作品は意外なことに今作が初となる。表題曲“Answer”は、迷いの中でたどりついた「今」を高らかに歌うブライトでアップテンポなナンバー。自分自身を鼓舞するように、次への一歩を鮮やかに歌い上げる家入レオの歌声は、いつにも増してポジティブで清々しい。そして、そのあとに続く5曲のカバー曲もとにかくすごい。残響を活かした大胆なアレンジで、トランペットの音と彼女の歌声が深く共鳴する“秋桜”や、ゾクゾクするような芯の強さを感じさせる“悲しみの果て”など、彼女の歌声にはカバーの域を超えた楽曲への深い解釈があり、すべての曲が新たな魅力を携えている。中でも、彼女が映画『海を感じる時』をきっかけに出会った曲で、今回どうしてもカバーしたいと希望した下田逸郎の“泣くかもしれない”(映画ではホームレスハートがカバー)に、激しく心を揺さぶられる。そのむき出しの生身の歌は、彼女自身の歌としか思えないほどに、今の家入レオを表現しているよう。それが不思議と“Answer”ともつながって、ここにある楽曲すべてで、今の彼女の「答え」が提示されているみたいだ。(杉浦美恵)

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