昨年11月に晴れてメジャーデビューを果たし、今春にはギタリストの脱退劇があったものの、新たにマツムラユウスケ(G・Cho)が加入。インディーズ時代の楽曲を一挙サブスク解禁し、堂々新体制のフェーズを走り始めるのがこのニューシングル『ヒカリナキセカイ』だ。今どき、珍しいほど骨太なロックを鳴らすという点で希少価値が高い
WOMCADOLEだが、《光が無くたって吠えろよ/上辺だけじゃなく内側から/何のために、生きていくか/そんなものは分からなくとも》と浴びせかけられる表題曲の叫びは、ウィズコロナ時代の疲弊しささくれだった魂にこそズシリと響く。樋口侑希(Vo・G)による、聴覚器官を貫いて大脳皮質に纏わりついてくるような節回しのシャウティングボーカルは、荒ぶる叫びや爆音によってこそ救われる魂があることを今一度思い出させてくれるだろう。決して勢い任せではなく、タイトな音像のまま刻一刻と表情を変えてゆくバンドアレンジが見事である。一方で、セクシーかつ物憂げなバンドグルーヴとリリシズムで描かれたカップリング曲“doubt”も、個人的に好みだ。(小池宏和)
『ROCKIN'ON JAPAN』2020年9月号より