今年3月にリリースした1stフルアルバム『From DROPOUT』から約8ヶ月。秋山黄色の最新リリース曲は、ドラマ『先生を消す方程式。』の主題歌。“サーチライト”と名づけられたこの楽曲は、彼のこれまでの楽曲の中でも突き抜けてストレートに響くギターロックナンバーだ。秋山黄色のこれまでの作風や表現方法を知る人ならば、この楽曲のまっすぐさには驚いたことだろう。しかしこの曲に込められたエモーションや、体が勝手に前に進んでいくかのような衝動に満ちたサウンドは、彼が音楽に求めるものの、その根底にあるものだとも思える。生来のあまのじゃくというか、捻くれ感（それが大いなる魅力なのだけれど）ゆえ、これまでその衝動をそのまま直球でぶつけてくることはなかったわけだが、今回はドラマ主題歌としての書き下ろしという前提があったからこそ、むしろ何ひとつはぐらかすことのない、ピュアな言葉が紡がれていったのだと思う。それがとても良い。《生きるのが上手いってのは／傷つけるのも上手いんだよ 自分の事すら》という歌詞など、ストレートな分だけグサグサと心に突き刺さる。（杉浦美恵）

『ROCKIN'ON JAPAN』2021年1月号より