これまでもずっと「暮らし」を描いてきたバンドだが、よりフォーカスは絞られ、タイトルにも表れているように「新たな景色」が様々な角度から描かれている。コロナ禍において、より浮き彫りになったBLMや格差社会といった問題も、すべては目の前の半径5メートルに向けての「優しさ」が欠如していることから生まれるのではないか――そんな強い意志が貫かれている。
前作『WHALE LIVING』で新たに日本語詞に踏み出したが、今作も“Summer Reading”以外はすべて日本語詞。畳野彩加のたおやかな歌声もより情感豊かに、存在感を放っている。(小松香里)