ダイナソーJr.に続きルー・バーロウもソロ新作を完成させた。2年前に始めた有料プラットフォーム(月額を支払うと独占コンテンツにアクセスできる仕組み)向けに書いた楽曲も含むだけに、アメリカ/世界に対し真摯に嘆願する④を始め過去数年彼の抱えてきた実存的な問いかけや葛藤・逡巡がリリカルな美メロに乗って次々に飛び出してくる。
ある意味デフォルトで「心配性」な人であるルーらしいが、そこに悲観的なトーンはない。むしろブルーグラス/カントリー/フォークといった「人々の音楽」のスタイルが持つドライブ感を通じ、困難で混沌とした時期だからこそ、愛と希望を信じようとする健気な輝きで聴き手の心を温かく照らす作品だ。
彼の書いた“Garden”はダイナソー新作でもハイライトになっていたし、ソングライターとしてのルネサンスはまだまだ続きそうです! (坂本麻里子)
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