これこそ「尖ったゆず」の真骨頂

ゆず『奇々怪界-KIKIKAIKAI-』
発売中
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ゆず 奇々怪界-KIKIKAIKAI-
えっ、これマジでゆずなの!?と唖然としてしまったファンは多いだろう。もしまだ聴いていない人がいるなら、このレビューを読むのは後回しにしていいので今すぐMVを観てほしい。話はそれからだ。10月の武道館公演のエンディングでこの新曲の断片が一瞬だけ公開されていたが、25周年イヤーに突入したゆずはめちゃくちゃ攻めている。作詞は岩沢厚治で、作曲は岩沢と、今をときめくGiga+TeddyLoid(Ado“踊”を手がけたタッグで、TeddyLoidは“恋、弾けました。”や“マスカット”のアレンジでもお馴染み)。つまり、作曲段階からバッキバキのエレクトロニックサウンドが構想されていたわけである。積もり積もった不平不満のフレーズを愉快犯のごとく乱射し、《やってみっか一丁Laugh/かっ飛ばっせ文豪なう》といった威勢のいい押韻のコーラスも、エレクトロのグルーヴ感ありきでデザインされている。痛快な余韻だけを残して嵐のように駆け抜けるナンバーだ。フォークもパンクもEDMも、元々はめちゃくちゃ尖っていて、何をしでかすかわからない表現なんですよ。ゆずもそういうグループなんです。(小池宏和)

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