Aimerは、いわゆるA面や表題曲と言われる楽曲だけでなく、カップリングにも本当に良曲が多いアーティストだ。それを実感する初のB-SIDEコレクション。多くのアーティストの場合、カップリング曲はA面とは別軸の変化球であったり、実験的な要素を含むものだったり、本質とは違った部分を楽しむというイメージが強いのだが、Aimer作品のB面はA面に匹敵するほど、心に強く優しく語りかける楽曲ばかり。だからこそ本作は、改めてAimerの軌跡を辿る重要な「ベスト盤」だと言っても過言ではない。今もファンの間で高い人気を誇る“星の消えた夜に”などは、まさにAimerの本質そのものだし、そのオリジナルのリリースから約9年を経た今、そこで歌われた言葉が、なおもリスナーの心を癒すものとなっていることにハッとする思いだ（リタルダンドバージョンとして新録されたものも本作に収録）。新曲“ONE AND LAST”や、“セプテンバーさん”“Raining”など珠玉のカバーも収められ、ファンのためのレアトラックスでありながら、Aimerにこれから触れるリスナーにもおすすめしたいアルバム。（杉浦美恵）

『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より