4年ぶりのアルバムである。しかもその4年は、当然ながらただ過ぎ去っていくだけの時間ではなかった。バンド自身にも世の中にも本当にいろいろなことが起き、多くのことが変わった。そこから少しずつ何かを取り戻して、でも相変わらず失われているものもあって……そんな日々をくぐり抜けた証として、フォーリミはこのアルバムで「まるで何事もなかったかのように」ど真ん中を突き抜けて、そこに『Harvest』という名前をつけた。それがまず素晴らしい。もちろん歌詞の端々には悔しさだったり恋しさだったり様々な感情が滲んでいるが、それとて取るに足らないこととでもいうかのように、バンドは爆音で突っ走り、GENは強烈なハイトーンをブッ刺す。ハードなサウンドとポップなメロディにライブ映えしそうな要素ものせて、いつも通りの顔で鳴らされる過去最強のフォーリミ。そうでなければならないし、そうありたいと彼らは願ったのだ。《いつでも 君とこの幸せ／見続けられたらな／感じ続けられたらな／信じ続けられたらな》（“Harvest”）。そのピュアな思いは、何があろうと揺るがない。（小川智宏）

『ROCKIN'ON JAPAN』11月号より