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上映中の『劇場版ドクターX』主題歌として書き下ろされた新曲で、ご存知の通りTVドラマ版主題歌“阿修羅ちゃん”に引き続きAdoが登板。しかも作詞・作曲はAyase（YOASOBI）という、強力な布陣が敷かれることになった。ドラムンベースにオーガニックなギターのリフレインが跳ねる導入部から刺激的なハードコアテクノ、美麗なブリッジからエモーショナルなサビへと移行するトラックもスリリングだが、それを追い越す勢いでくるくると声色を切り替えながら歌うAdoの歌唱は、本当にこの主旋律をひとりで歌っているのかと思ってしまうほどだ。下手すれば混沌としてしまいかねない音の情報量と鮮やかに移り変わってゆく感情表現が、がっちりとギアを噛み合わせて高速回転してゆく。磨き抜かれたスキルがポップミュージックの新時代を切り拓き、新しい基準を打ち立ててしまうということ。大門未知子のテーマでしかあり得ない堂々の決めっぷりまで含めて、Adoという表現力の末恐ろしさを思い知らされる楽曲だ。（小池宏和）（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より）
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