『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
「元春クラシックスの再定義」をテーマとしたコンセプト作。2010年代に発表されたふたつのセルフカバー作との違いはといえば、まず代表曲が惜しみなく並べられた選曲。そして、少なくない楽曲が原曲に近いアレンジで鳴らされていること。では、なぜ今この作品を手掛けたのかといえば、恐らく理由はシンプルで、結成以降目の覚めるような傑作を連発した末、2022年に最高傑作『今、何処』を上梓したザ・コヨーテバンドとならば、過去の代表曲をストレートに演奏しても「新たな正解」に辿り着けるという確信があったからだろう。実際、豊穣でありながらエッジの立った極上のグルーヴと、激しくも瑞々しいボーカルは、懐かしさなど感じさせる間も与えずに聴き手の腰も心もシェイクする。“Youngbloods”での獣のような咆哮。“自立主義者たち”の超モダンでクールなビート。2025年を揺るがすべく、こうした新たなフックが無数に用意されているのもすごい。もしや我々は、この国の大衆音楽史上屈指の才能の絶頂期を目撃しているのかもしれない。(長瀬昇)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』4月号のご購入はこちら
{blocklink url="https://amzn.asia/d/1TmSGa3"}Amazon{/blocklink}
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。