10周年プロジェクトの締め括りとして今年4月に開催された日本武道館公演「LiVE is Smile Always～Eve&Birth～『the Birth』」がライブ映像作品化。“往け”や“明け星”“GL”など最新曲群から“EGOiSTiC SHOOTER”“say my nameの片想い”など初期楽曲まで幅広い選曲越しに、「当代随一のロックヒロイン」であり「稀代のポップアーティスト」でもあるLiSAの両側面を最大限に解き放つ、挑戦精神あふれる熱演だ。

ダンサー陣とともにカラフルな高揚感を体現した“HADASHi NO STEP”から一転“紅蓮華”へ至るドラマチックな展開。満場の拍手に感極まって声を震わせながらも、渾身の歌と拳を突き上げてみせた“Catch the Moment”……。悩みも不安もリアルな歌に昇華しながら一歩ずつ前進することで、己の道を切り開いてきたLiSA。その切実で誠実な在り方が、今作には高純度で凝縮されている。そして、「今日までの11年を誇りに、私・LiSAはまだまだ行きます！」という宣誓とともに本編ラストに披露された“NEW ME”の凜とした歌声が、ひときわ深く強く胸に響く。（高橋智樹）

『ROCKIN'ON JAPAN』11月号より