前作『伝説の夜を君と』で、暗い時代の中でも輝き続けるロックンロールの眩しさを証明したa flood of circle。そして、LINE CUBE SHIBUYAでの初ホールワンマンを経て、代々木公園野外音楽堂フリーライブで告知されたのが今作『花降る空に不滅の歌を』だ。「伝説の夜」に続いて「不滅の歌」とは、よりポジティブなアルバムが完成したかと思いきや、1曲目“月夜の道を俺が行く”から、佐々木亮介(Vo・G)が泣き叫んでいて驚いた。《嫌われたくなくて前向き/不幸ぶって自分だけ愛して/攻めと逃げの違い忘れて/気づけば結局佐々木亮介》《怖い闇に吠える負け犬》。まさに身を切る独白。それを一丸となって支える強靱なグルーヴは、すべてに牙を剥いていた初期のような荒々しさを孕む。そこから、ネガティブも自己嫌悪も繊細な愛情もさらけ出し、《宿命は決まっていて 無駄な抵抗でも/僕らには聴こえてる/あのメロディー》(“花火を見に行こう”)と希望を見据えるエンディングまで駆け抜ける。もっと強く、もっと幸せになるために、闘争のアンセムこそが彼らのロックンロールの真髄なのだと示す傑作。(後藤寛子)
(『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より)
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闘う負け犬はヒーローになる
a flood of circle『花降る空に不滅の歌を』
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