“無重力”は稲生司(Vo・G)が再びステージに立つため、つまり音楽とバンドへの愛から生まれたロックバラード。等身大の心情をつぶやく彼の歌声を、しなやかで芯の強い音色が包み込む構図にも、メンバー間の信頼関係が滲む。《翼が折れた鳥のような僕》が、それでも飛ぶために両腕を広げようとする。どんな物語も、主人公の心の機微や小さなアクションから始まるものだ。今作は、彼らが愛しくて仕方がないものを手にするためのプロローグである。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年5月号より抜粋)
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