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特に「青春の象徴」としてのギターロックが持つ魅力をみずみずしく表現させたら、当代で傑出したバンドのひとつがカネヨリマサルだと思う。最新作“GIRL AND”は映画『17歳は止まらない』の主題歌として書かれた曲。ドラマ『放課後ていぼう日誌』の主題歌だった前作“わたし達のジャーニー”に続き、青春を切り取った作品への提供が相次ぐのは偶然ではない。シンプルなギターリフから始まり、ベースとドラムが入ったところでスイッチオン、8ビートに乗ってどんどん推進していく3ピースサウンドも、サビ前の短いブレイクを繰り返すキメや伸び伸びとしたギターソロも、バンドが音を鳴らす愉しさや衝動をそのまんま伝えてくれる。《後先なんて/私にはない/ただ、今を信じたい》というラインなど、ここで描かれる17歳の心情は彼女たちにとってリアルタイムではないが、おそらくは経験として刻んできたもの。青春時代特有の剥き出しで、時には向こう見ずに発散されるエネルギーの眩さを、この曲は確かに放っている。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年10月号より抜粋)
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