何度でも立ち上がって生き続けるための歌、音、時間──sumikaのツアーセミファイナル、刺さった

何度でも立ち上がって生き続けるための歌、音、時間──sumikaのツアーセミファイナル、刺さった
sumikaのライブはどんな時も気持ちを前向きにしてくれるが、今日のライブはすごかった。
メッセージがより明確に、そして広く深く届くように、表現されていた。

何が起きても、立ち上がってまた始めればいい。
どんな立ち方でもいい。不格好でも構わない。
でも、自分の足で、自分の心からの意思で立たなければ意味がない──。

そんな想いを1曲1曲に込め、セットリストに託し、演出に組み上げ、それぞれのより自由になったパフォーマンスでカラフルに、繊細に、パワフルにはみ出していく。

ライブの最後、片岡は「終わりがあるから始まるんだろ」と言い、会場から拍手が起こった。本人は「お、拍手起こった。みんな優しいね」と笑っていたけど、それこそがsumikaの本質だと、会場中の人が知っていたから起きた拍手だった。
片岡が言うから深く響く言葉、おがりんが歌うから届く言葉、荒井が話すから共感できる言葉。それぞれがハーモニーのように混じり合って、sumikaの音楽の説得力は強まっているのに、聞き手の自由度が増し続けているのは、彼ら自身が何度でも、どんな時でも立ち上がり続けた経験があるからだ。

そうやってsumikaの音楽は、一人ひとりの中に眠っているこれから輝くための可能性を照らしてくれる。きっとこれからもずっと──今日のライブを観て、前よりもっと、そう思った。(大橋麻里奈)
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