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舞台やミュージカルにおいて、キャストは主役やメインを務める「プリンシパル」と、それを引き立てるために複数の役を担う「アンサンブル」に分けられる。後者をタイトルに冠した同作は、社会の大多数に紛れてしまうようなありふれた日々を懸命に乗り越える人々にフォーカスした、群像劇的ミニアルバム。「生活」と「恋愛」が描かれた5曲が揃った。大きな夢を志してアルバイトで生計を立てる6畳間暮らしの主人公が恋に落ちる様を鮮やかかつロマンチックに表現する“monologue”、青春時代を全力で駆け抜ける姿をギターロックへ昇華した“少年少女”、ダークでキャッチーなコードワークとギミックの効いたアレンジがミステリアスなムードを掻き立てる“ニヒリズム”、ex.赤い公園の石野理子を招いて恋のもどかしさを甘くアンニュイに彩る“夜煩い”など多彩な物語が並ぶ中、存在感を放つのは冬の失恋バラード“エピローグ”。愛する人の存在がどれだけ人生を豊かにしたのかを切々と伝える歌と音に、自ずと涙腺が緩む。（沖さやこ）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋）
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