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デビュー15周年を迎えたmiwaのベスト盤がすごい。それは2枚で合計37曲、2時間38分38秒というCDの限界まで収録されたことだけではない。本作には高校生の頃に弾き語りでセルフレコーディングされたmiwaの原点とも言える貴重音源“TODAY”と“Song for you”が収録されており、震える歌声からは当時の緊張感がリアルに伝わってくる。“ありえない!!”“Storyteller”などのギターロックな楽曲や、“ヒカリヘ”“don't cry anymore”などの代表曲は、オーケストラ編成でしっとりと聴かせる「Classic StudioLive ver.」が収録(“ヒカリヘ”は通常版も)。彼女はこの15年で“Aye”のようなDTM楽曲も増え、前作『7th』ではEDMにも挑戦した。そんなマルチな表現者となったmiwaのイメージは出会った時期によって十人十色という印象があるのではないだろうか。それは彼女が15年間、一歩ずつ確実に歩み続けた結果であり武器だ。その軌跡を多彩な側面から掘り下げた本作は、miwaの専門書と呼べる奥深い作品だと私は思う。(岩田知大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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