初来日となった昨年のサマソニ出演時点ではまだ海外と日本での評価に格差も感じられたが、本作そして２年連続となるサマソニ出演によってそのギャップは完全に解消されるはずだ。その圧倒的なライブ・パフォーマンスで各国フェスを熱狂させ名を知らしめたニューオリンズの４人組。ブルースやファンク、サイケデリック・ロックからポスト・パンクまで渾然一体と併せ呑む屈強な人力グルーヴは前作ファーストの段階ですでに他に並ぶ者のいない代物だったが、本作はそのレンジをさらに拡大した進化／深化形といえるだろう。アンセミックな高揚感で揺らす“スポットライト”を筆頭に、マス・ロックを引用した“バックファイヤー”、エレクトロな新境地“グッドバイ”、ホーンが煽る“アーミスティス”、あるいはバラードもあり、そのサウンド＆グルーヴは奔放さとバリエーションを増している。いわばルーツ的な肉体性を誇るプリミティビズムと、2000年代以降のダンス・オリエンテッドなポップ感覚。たとるならカサビアンとギャラクティックが共存するかのようなカタルシスが本作には横溢している。サマソニのステージは必見。（天井潤之介）