大いなる実験精神

ミュートマス『プレイ・デッド』

発売中

ミュートマス プレイ・デッド
昨年末リリースしたトゥエンティ・ワン・パイロッツとのコラボEP『TOP×MM』では、TOPのパンキッシュなポップ性を活かす鉄壁さを見せながら、クセのあるバンド・グルーヴをも絶妙な塩梅で効かせてくるという、高い柔軟性と貫禄を示したミュートマス。待望の新作は、この身体性の高いサウンドを存分に発揮し、幻想的・想像的世界観を精緻に描いた。ロックのダイナミズムを取り戻し、ブルースやソウルを更新して、きらびやかなダンス・ミュージックをのみ込んでいった、これまでの作品で焦点を当て磨き抜いた術をフルに使い、さらなる実験を織り交ぜた。フロントマン、ポール・ミーニー(Vo)は「アルバムを作ることがかなりエキサイティングだった」と語る。バンドとしても未知の領域で、計算とハプニングを捕まえていく作業だったのだろう。エフェクティヴな音響や歪み、予測不可能なアレンジや展開を駆使し、それでも際立つポップなメロディの存在は秀逸。前衛と王道のキワを突き進むスリリングさが、興奮と高揚を生んでいる。ロック・バンドがどこまでも自由であることを、作品として提示したプライドが見える。(吉羽さおり)

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