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音楽シーンに新たな才能が舞い降りた。“曲名はまだないです”が瞬く間にSNSやチャートを席巻し、驚異的な伸びを見せているAogumo。まっすぐで透き通った声に乗せて歌われる楽曲の、圧倒的な情景描写力には思わず舌を巻く。《「寒いねっ」/て言葉を発して/君に近づく口実にしたくて》と始まるピュアでリアルな歌詞表現だけではない。恋をした時、ほんの些細な出来事に心が揺れる。その揺れ幅を、コロコロと表情を変える歌声がありありと伝え、軽やかで煌めいたサウンドが、恋をした瞬間に世界が輝いて見える感覚や、冬の冷たい澄んだ空気をも描き出す。冬の季節に恋する女の子の姿が自然と浮かび、それを自分自身に重ねて《君》に思いを馳せることも、まるで映画のように、誰かの物語としてきゅんとすることもできるのだ。冬の寒さの中で、ふと日が差し込むような温かさを纏ったこの曲は、恋するみんなへの応援歌だ。まだ17歳。Aogumoが持つ底知れぬ才能は、これからもっともっと空高く羽ばたいていくに違いない。(江口祐里)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年3月号より)
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