デビュー作が出たばかりで無名に等しかった02年、アストロホールで初来日公演を行なって以降は、フェスを含む二度の来日が決定するもキャンセル。ちょうどスクリーモやポスト・ハードコア全盛。フィンチに限らず勢いのある若手のバンドが世に出てきた頃だ。フィンチも米英の活動のスケールはでかくなっていたし、日本でも知名度が上がっていた、ステージを見せるにはいちばん良い時期のキャンセルはもったいないの一言だったが、その矢先、06年には無期限活動休止状態に。別プロジェクトをやってるうちに、ファンは離れちゃうんじゃないの？と皮肉の一つでも言いたくなるってもんである。幸い、休止期間は１年程度だったが、再開まもなく７年越しの来日が実現した。今作はその、渋谷クラブクアトロでのライブを収録したアルバムだ。ちなみに、フィンチ初のライブ盤。２nd（05）よりも１stアルバム『ホワット・イット・イズ・トゥ・バーン』（02）での曲で熱い大合唱が起きていて、コアなファンが待ち望んでいたステージだったことがわかる。この秋には再度来日してくれることも決定！ あとは新作を待つばかり。（吉羽さおり）