春夏秋冬の手応え

Cocco『こっこさんの台所CD』
2009年09月16日発売
MINI ALBUM
Cocco こっこさんの台所CD
エッセイ集『こっこさんの台所』発売と連動した新曲4曲が配信リリースされているが、本作はその4曲をパッケージしたもの。Cocco作品としては『ジュゴンの見える丘』以来、1年10ヶ月ぶりの音源である。それぞれ春夏秋冬の季節をテーマにしており、戸惑いを抱えながらも凛とした表情で立ち上がる春=“絹ずれ”、過ぎ行く季節とともに別れの感傷を反芻する夏の終わり=“the end of Summer”、肌寒さを感じながらも手を取り合って時を謳歌する秋=“バイバイパンプキンパイ”、冷たく透き通る風の中で自身の命の脈動を確かめるような冬=“愛について”という4曲になっている。それぞれ受け取るものは異なるが、とにかくどれも美しい歌だ。まさに季節を共に過ごすようにして聴き続けていたくなる作品だが、当たり障りのないBGMというのとはまるで違い、むしろ彼女の歌は季節の移ろいというものが「今」の連続であることを突きつけてくる。外部の環境と内面の感情、その双方から写し出されたネガが、記憶としてプリントされる。この生の手応えこそ、紛れもないCoccoの歌だ。(小池宏和)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする