また彼らの激走が始まる

銀杏BOYZ『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
銀杏BOYZ ボーイズ・オン・ザ・ラン
カバーではない純粋な新曲で言えば『光』から2年。アルバムで言えばもうすぐ5年(!)だ。長かった。そして、銀杏BOYZがいない間、彼らに代わるような存在はやっぱり出てはこなかった。1曲目“ボーイズ・オン・ザ・ラン”で、イントロの約45秒間。村井の4カウントから四つ打ちのビート、そしてギターとベースそれぞれのリフの後で峯田がメロディを歌い始める瞬間までに、一気にその実感がこみ上がってくる。愛でもいい。夢でもいい。もっと下世話な欲望でもいい。持たざる者が何かを掴もうとする瞬間のがむしゃらな美しさが、まさにミネタ節と言うべきシンプルなメロディに乗って、サビのリフレインで爆発している。《ボーイズ・オン・ザ・ラン/ボーイズ・オン・ザ・ラン/「もう一丁」/ボーイズ・オン・ザ・ラン》。これは銀杏からの共闘のメッセージであり、ここからまた、彼らが走り始めるというひとつの宣言でもある。これまで手にしてきた全てを、一瞬で失うくらいの覚悟がなければ、本当の意味での次の一歩は踏み出せない。今の彼らにはきっとそれがある。そう思わせる傑作。(松村耕太朗)
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