清 竜人ってこんなアーティストだったんだ!? 聴きながら感情があまりに揺さぶられたので驚いた。2ndアルバム『WORLD』は何というか、「むきだし」なのだ。感情や思想やエゴを大胆にぶちまけてくる。しかもそれが極上のポップ・ミュージックとして鳴っているから凄い。昨年の1stアルバムはもっと透明感があって、洗練され、19歳の新人とは思えない雰囲気があった。でも今回は違う。子供と大人の狭間で揺れる心情を綴った“ウェンディ”では20歳の青年のリアルな姿を曝け出している。ジャジーで熱狂的な “イザナギの後遺症”ではドロドロした思考の坩堝に急降下。さらに自意識にもがきながら君への愛を歌ったかと思えば、《がんばろう》と真っ直ぐに伝えてくる。このアルバムは、複雑な「世界」と複雑な「ぼく」の物語なのだ。《自分をちょっとだけ認めてみよう ぼくらのワールドが世界を作る》(“ワールド”)というポジティブな決意で始まり、《今の ぼくには 何も分からない》(“ラヴ”)という迷いに終着するのも象徴的。自問自答や喜怒哀楽を繰り返しながら進んでいく生身の姿は、繊細で頼もしく美しい。(福島夏子)