再び大衆に手渡される黄金律

Superfly『Superfly』
2008年05月14日発売
Superfly Superfly - SuperflySuperfly
初めから地肩が強いのははっきりしていたが、わずか2枚のシングルを残しギタリスト多保が脱退。さらにJETとのコラボ・シングルが出た時点では、いかに当事者の目的意識が確かであったとしても、端から見れば飲み込みにくい事態になっていた。それを一撃で吹き飛ばし、歓喜のパレードにさえ変えてしまった“愛をこめて花束を”の曲力は拍手を送りたいぐらい素晴らしかった。殿堂入り決定のポップ・ソングだと思う。多保が15歳の時に作られ、バンドとして大切に温めてきたという内実にも、今なおチャートの20〜30位台を上下動している売れ方にも、本当の説得力がある。

その熱波の中で届く1stアルバム。急にポップ・ソングが増えることもなく、デビュー当初から標榜してきた60〜70sと現在のクロスオーバーを、越智志帆のロックンロールを、のびのびとやり切っている。そして、“愛をこめて〜”がこちらの体に入ったことで感応できるグッド・メロディがたくさんあることに気づく。60〜70sの栄養を吸い込んだ表現が、もはやロックの基準ではない今こそ、誰もに手渡され新たな価値観を作る可能性にわくわくする。(斉藤知太)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする