この4年、バーリー・カドガンは各方面から引っ張りだこ、ギタリストとしてかなり忙しくしていたわけだが、その一方でリトル・バーリーとしては結構シビアな時期にあった。ドラマーが交代し(新メンバーのヴァージルはスティーヴ・ハウの息子)、レーベル契約も終了。彼らはそこで「自分たちのやりたいようにやる」ことを選び、本作は自主レーベルNon Deluxからのリリースとなった。プロデューサーもファースト・アルバムを作ったエドウィン・コリンズ。文字通り、原点に返ったのである。前作はかなりヘヴィにロックンロールに切り込んだアルバムで、逆にいえばクラシックな文法にとらわれすぎていた部分もあったが、今回はキーボードやドラムのアレンジに、もっと奔放なダイナミズムが聴き取れる。もっとも、彼らが「やりたいようにやる」ということはさらにディープな方向に突っ込んでいってやるという宣言と同義なので、曲ごとに描かれる世界観はブルースにしろサイケにしろ、とことん掘り下げられている。総じてマニアック度は上がっていながら、決して閉鎖的にはなっていない。理想的なバランスなのではないか。(小川智宏)