ゴー！チーム4年ぶりのニュー・アルバムは、前作『プルーフ・オブ・ユース』以上にとっ散らかった音楽性を爆発させつつ、よりポップに振り切れたアグレッシヴな1枚だ。ベスト・コーストのベサニーが2曲に参加しているが、これは別にトレンドにコミットすることを狙ったものではない。ディアフーフのサトミが歌っているキュートなシンセ・ポップ“セクレタリー・ソング”も含めて、意識的に楽曲のバリエーションを探求した結果だろう。実際、先行してフリー・ダウンロードが行われていた“T.O.R.N.A.D.O.”の強烈なアタック感のあるビートに始まり、スペーシーなヒップホップから60sガール・グループを髣髴とさせるキッチュなポップ・ソング、前作から加入した日本人メンバー＝カオリが歌うギター・ポップ、アコギのループによるインタールードまで、文字通りやりたい放題。これまでフロントパーソン＝ニンジャの強いキャラとライブでのパフォーマンスによって一定のイメージを印象付けてきた彼らだが、それを気持ちよく裏切りつつ、パーティ・ミュージックとしての昂揚感と愉しさも倍増しているという、見事な進化作だ。（小川智宏）