やぁ 無情♪どんなに頑張ってみても〜というサビの部分だけはすでにCMで山のようにオンエアされていた、斉藤和義のスロウでメロウなロック・ナンバー。“やぁ 無情”のタイトルだけでそのやさぐれ逆噴射ポップな感じが伝わってきて嬉しくなるし、≪やぁ 無情 どっか行けよ どうせオレがバカなんだろ≫と40男が歌い上げる、あまりに情けない腹の括りっぷり(諦めっぷり?)には激しいシンパシーを禁じ得ない。そして、そんなよれよれの諦念にブラシをかけたりシワを伸ばしたりして取り繕うこともなく、よれよれの今日と明日をよれよれのまま描いて、いつになくロック・モードな歌い回しでそこに静かな、しかし力強いエネルギーを注入してみせる。≪後ろをついてくる よく似た影法師 物語は続くよ この夢の闘いも≫というエンドレス感満載の最後のフレーズを、それでも希望の言葉として聴かせることができる人はそういない。一億総負け組時代に突入しつつある21世紀日本の憂鬱吟遊詩人としての斉藤和義のアンテナは、デビューから丸15年が経過していよいよ感度を増している――と感じさせる楽曲。(高橋智樹)