身体で受け止めるべきDVD

ACIDMAN『LIVE TOUR“LIFE”in 幕張メッセ』
2008年10月08日発売
ACIDMAN LIVE TOUR“LIFE”in 幕張メッセ - LIVE TOUR“LIFE”in 幕張メッセLIVE TOUR“LIFE”in 幕張メッセ
6月から7月にかけて行われた新作ツアー“LIFE”の、幕張メッセでのファイナル公演を収めたDVD。ACIDMANがこの規模のライブを単独で行うことが出来る背景には、メッセージや楽曲のポピュラリティだけではなく、何よりもこのバンドの有機的な体質が大きく関係している。彼らのサウンドは、ロック史上において幾重にも枝分かれした表現フォームのどれにも当てはまらない。スタイルそれ自体が、受け止める側とのコミュニケーションの中で無限に変態し、成長する。ロックが輸入文化であり外部に手本を求めてしまいがちな日本人にとって、この柔軟かつ有機的な姿勢は稀なのだ。

アッパーでダンサブルな前半から一転、3人が広いステージの上に寄り集まり、佐藤がアップライト・ベースを弾き浦山がカホンを叩くアコースティック版“リピート”へと流れる自由さ。喉を痛めていた大木は終盤、肺の中の空気を振り絞るようにして歌う。脳内の酸素が足りていない感覚までが伝わってくるようだ。ライブとしては完璧ではなかったかもしれない。だが、ACIDMANの記録映像として本作は完璧だ。(小池宏和)
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