そりゃ難産にもなるわ

サンティゴールド『マスター・オブ・マイ・メイク・ビリーヴ』
2012年07月11日発売
ALBUM
サンティゴールド マスター・オブ・マイ・メイク・ビリーヴ
初アルバム『サントゴールド』から、もう4年も経ったのである。当時、ディプロやスウィッチの手がけたブリーピーでバウンシーな曲の衝撃は、サンティゴールドを反メインストリームのポップ・クイーンに位置づけたのだった。しかし、その後レディー・ガガが現れ、ニッキー・ミナージュが現れ、ついにはビヨンセまでディプロのトラックでシングルを切るようになった。つまりメインストリームは完全に変わってしまったのである。そこで、次に何を打ち出すべきか、というのが今回のセカンドなのだから、難産だったのは当然だろう。レーベルはレッドワンやスターゲイトとのコラボを提案したが、彼女はきっぱりと断ったという。結果的に、再びスウィッチ、ディプロ、ボーイズ・ノイズといった面々がプロデューサーに並び、正直言って時代の「次」を示すインパクトは今作の楽曲からはあまり感じられない。しかし、それは彼女がマーケティング戦略ありきで攻めまくる人ではなく、あくまで「私」の感覚を裏切らずに一歩ずつ進むタイプだという、何よりの証明なのだと思う。だからこそ、今は彼女のカムバックを素直に喜びたい。(松村耕太朗)
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