みなさんのおかげでした

ブラー『パークライヴ(ライヴ・イン・ハイド・パーク2012)』
2012年12月05日発売
DVD
ブラー パークライヴ(ライヴ・イン・ハイド・パーク2012)
今年の夏、ハイド・パークで行われた、五輪記念イヴェント『Best OfBritish』を締め括ったブラーのライヴが完全収録されている本作は凄まじいライヴ作品である。まずブラーのライヴ自体が圧倒的に素晴らしい。8万人の熱唱がすごすぎる“ガールズ&ボーイズ”で始まり、グレアムがヴォーカルをとる“コーヒー&TV”、不在時の曲でしっかりとギターを弾いているグレアムの姿が感動的な“アウト・オブ・タイム”、自分たちの「子供たち」に捧げ、バンドの成熟が感じられる“ヤング・アンド・ラヴリー”、フィル・ダニエルズが大はしゃぎする“パークライフ”、新曲だというのに客全員が口ずさむ“アンダー・ザ・ウェストウェイ”などをはさみ、涙が止まらない“ザ・ユニヴァーサル”で大団円を迎えるセットリストは、もはや完璧。常に笑みがこぼれまくるバンドの表情も深い感慨を呼ぶし、そのモードを反映した脂の乗り切った演奏も最高だ。途中、デーモンがグレアムにチューするシーンなんか、男の自分でも思わず赤面してしまう。

しかし、本作品の主役はこの日集まった8万人である。というのも、本作にはバンドと同じぐらい観客の映像が収められているのだ。実際、この日は祝福ムードとともに、これが本当に「最後かも」という緊張感も客席に漂い、異様な雰囲気だったという。もちろん、その後、来年のフェス出演がいくつも発表され(来日の噂も!)、今となってはその心配はない。デーモンおよびブラーが続けて行こうと決心したのは恐らくこの日の8万人が心から捧げた愛のおかげだろう。この作品を観ると、そう思えて仕方がない。 (内田亮)
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