LUNA SEAがREBOOTと称して再始動してから2年が経つが、この古巣ユニバーサル移籍第一弾シングルを聴いて、完全復活と思う人は多いのではないだろうか。何故なら、ロックバンドとして完全体である彼らの実像が、ゴロリと表れているからだ。“The End of the Dream”は、真矢のパワードラムが轟く、痺れるような音質のイントロから、RYUICHIの必殺技である「フゥ！」という一喝へ。そしてドライヴ感と艶やかさを誇るサウンドへと雪崩れ込む。“Rouge”は、間髪入れずにスピードの中へ連れ込まれ、妖しくもキャッチーなメロディに酔わされていく。どちらも、全員の個性が光りながら、すこぶるポップで……わかりやすく言うと、“ROSIER”や“DESIRE”のように、バンド少年がコピーしたくなるかっこよさに溢れているのだ。それでいて、コアなファンもニヤッとしてしまう、元来の彼ららしい尖ったセンスもちりばめられている。このバランス感はアルバムも期待できそうだ。あの頃、メジャーシーンで冒険をしまくっていた彼らのアルバムの衝撃を、今の時代に食らって欲しい！（高橋美穂）