「ポップ」の真ん中へ

ダム・ダム・ガールズ『トゥー・トゥルー』
2014年01月22日発売
ALBUM
ダム・ダム・ガールズ トゥー・トゥルー
12年の5曲入りEPがあったが、アルバムとしては約2年半ぶりとなる3作目。この間、東のヴィヴィアン・ガールズに負けず彼女達も個々に旺盛な活動を見せ、なかでもジュール(G/Vo)のチープ・カールズ、サンディ(Dr/Vo)のシスやルイス・バーンズは個人的に楽しませてもらった。そうした活動のフィードバックはあるのか、ともあれ、今作からはバンドとして順調なステップアップを遂げていることが窺える。それを後押ししているのは、前作に続き起用となるプロデューサーのリチャード・ゴッテラーの存在だろう。ブロンディやゴーゴーズのデビュー作で知られる大御所であり、その手腕と彼女達との相性の良さが本作ではますます際立って感じられる。持ち味の甘くレトロ風味のガールズ・ポップ、ラモーンズの衣鉢を継ぐタイトなガレージ・ロックも聴かせながら、耳を引くのは、たとえば③に代表されるニュー・ウェイヴな艶味を帯びたナンバー。ブロンディでいえば『恋の平行線』で見せたような洗練も窺わせ、プロダクションもかつてのローファイ傾倒なそれとは印象が異なる。彼女達の魅力が新たに引き出された、充実の一枚だ。(天井潤之介)
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