驚異的な、言葉と音のシンクロ率

真空ホロウ『虹』
2014年02月19日発売
SINGLE
真空ホロウ 虹
真空ホロウ、2014年最初のリリースにして初のシングル作品である。COUNTDOWN JAPAN 13/14のステージ上で、村田智史(B)は「魂を削ったというか、血ヘドを吐いたというぐらいの勢いの気持ちを込めて作ったCDが出来ました」と語っていた。もちろん、すべてのアーティストは作品に心血を注ぐものなのだろうけれど、村田の語り口がとても熱っぽかったのが印象深い。今回改めて、歌詞をじっくり読みながら聴き、合点がいった。特に表題曲の“虹”。TVアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』エンディングテーマ曲にも起用されている。松本明人(Vo・G)は、若者が抱える焦燥感に徒労感、不安感やドン詰まり感といった、ネガティヴな要素が綯い交ぜになったドロドロの心象を歌詞にしたためるのだが、真空ホロウの3人はその感情を徹底的に生々しく、雄弁に音像化することに成功している。忘れていたつもりはないのに、感情の記憶を叩き起こされるような衝撃だ。佐藤帆乃佳(TK from 凛として時雨でもお馴染み)のヴァイオリンも加わったアレンジの、歌詞とサウンドによる完璧な共犯関係。(小池宏和)
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