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ゲストを含む何かしらのプラスアルファで構築した6曲によるEP。様々な人の声が温かなハーモニーを響かせる“voices”、45匹の動物の鳴き声を使用した“ANIMALS”のようなfeat.表記ではない2曲も一種のコラボだ。複数の声のコラージュが醸し出す距離、ズレ、融合が歌詞の内容と完璧にシンクロしている“4696 feat.meiyo”。殺気と破壊力の源に鬱屈した何かがあるのを常々感じるシノダのギターが、劣等感と付き合いながら育んできた闘志の表現に必要だったのがよくわかる“LOSER feat.シノダ(ヒトリエ)”……など、高いサウンドプロデュース力、ソングライティング力が発揮された曲ばかりだ。結成10周年のタイミングで「サカナモンは、なぜ売れないのか」というサブタイトルの映画が制作されたこともあるこのバンドだが、決定的なブレイクに至らなくてもファンに深く愛され続け、同業者からリスペクトされている理由は、今作に触れるとよくわかる。そして、もっと評価されるべき存在であることも伝わると思う。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年8月号より)
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