永遠のガレージ讃歌

ハウラー『ワールド・オブ・ジョイ』
2014年03月26日発売
ALBUM
ハウラー ワールド・オブ・ジョイ
このガチャガチャ感がたまらない。ギターをかきならし、ドラムスは力いっぱい叩きつけるプリミティヴの極地サウンドを土台にささくれだったヴォーカルが被さっていくが、そのどれもが魅力的だ。これこそポピュラー・ミュージックのマジックってやつで、計算された“洗練”なんて言葉や価値観をポーンと蹴飛ばしている様子が文句なく良い。

ラフ・トレードが2年前に自信を持って送り出したミネソタ州ミネアポリスの連中のセカンドは、くっきりと急成長の姿を聴かせる。メンバーは田舎のジュークボックスのようなアルバムと語っているが、確かにミュージック・マシーンやリプレイスメンツ、ラモーンズ、ニルヴァーナ等のシングルが脈絡無く詰め込まれたような感じはよくわかる。ただし、どれもそれらのエッセンスはあるが、この時代の音にスマートにアップグレイドされているとこがポイントで(タイトル・トラックがその典型)、2分から3分の曲が次々と切れ味よく飛び出してくる快感はライヴハウスで聴いているかのようだ。60年代のサーフ・バンドのようなジャケットもいいし、夏フェスでの勇姿が目に浮かぶ。(大鷹俊一)
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